みることはみえなくなること
きくことはきこえないこと
わたしはじゅもくにふれながら
ひとのしらないことばをしゃべる
みずのこどくにふれ
すきなひとのかたにふれ
だれもしらない
あいのいろはで
みることはみえなくなること
きくことはきこえないこと
もりはひかりでみちていて
そらはことばでみちている
さいげんもなくしゃべりつくして
このはのようにしゃべりつくして
よりふたしかなりんかくのなかへ
すべてはころがる
よろめきながら
みることはみえなくなること
きくことはきこえないこと
ゆびさきのかすかなてんから
どあのうらがわのあなたをかんじ
ちいさなかぎあなから
あなたのてのひらへとすべりこむ
そしてくりかえされるひとつのといを
けしてこたえられないひとつのなぞを
やわらかなこうふくのようにすぎてゆく
だれもみしらぬ
わたしはいきもの